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美容・ヘルスケア領域の薬機法、景品表示法、健康増進法について考える

年々厳しくなっていく、美容・ヘルスケア領域の法律関係。
何を書いたらいいのか?何も書くことが出来ない…そんなご相談を受けることも多々あります。

発信を辞めてしまう…確かにこれも一つの選択肢かもしれません。ただ発信しないとお客様に気が付いてもらうことは出来ません。
もちろんSNSやHP等の発信以外から集客できる場合はそれも一つの手段です。
とはいえ、世間の行動は「検索」。

「これいいから買ってください」と言われるより、自分で調べて選んで商品やサービスを購入したいという人も多いのではないでしょうか?

エステに行った時に、あれもこれも…と勢いよく勧められたらちょっと引きませんか?
お店を覗いて、次々に試着品を持って来られたらイヤではありませんか?
買うか買わないかはあなたが自由に選んで決めてね…とそっとされておいた方が、購入にいたるという人も多いのではないでしょうか?

人は販売者に決められるよりも、自分で選んで決めたい。「検索」というニーズはまだまだ求め続けられるでしょう。

だからこそ発信し続けることが大事になってきます

では、美容・ヘルスケア領域は何に気を付けながら発信していけばいいのでしょうか?

 

美容・ヘルスケア領域の発信に規制が伴う根本的な理由

まず最初に押さえておきたいのが、なぜここまで美容・ヘルスケア領域の法規制が年々厳しくなっているのかという点です。

それは「美容・ヘルスケア領域」は人の健康に大きく関わる分野だからです。
商品やサービス提供者側にそのようなつもりがなかっても、一つ間違うと他人の健康を大きく概してしまいます。

ですから、医師や薬剤師をはじめ、医療に携わるには国家資格に合格しないと携わることが出来ません。美容師や理容師も国家資格です。
これらの国家資格の特徴は指定の学校を卒業しないと受験できない点にあります。
(とはいえ国家資格保持者でも残念ながら怪しげなビジネスをしている人はいますが…)

また医薬品や化粧品の製造販売は許可制です。(化粧品を売るのは製造販売者の責任のもとに発売するので資格は不要。医薬品は必要)

このように本来、美容・ヘルスケア領域は携われる人に制限をかけてきました。

しかし最近はこれらの資格がなくとも、美容・ヘルスケア領域に携わる人が増えてきました。
その結果、一部の利益優先の人々によって根拠の乏しい、人の健康を左右するような広告や謳い文句が散見されるようになってきてしまったのです。

そもそも、美容・ヘルスケア領域では原則「効果効能」を謳うことは出来ません。もちろん医薬部外品のように決められた効果効能を謳うことは可能ですが、こちらは事前に申請した内容以上のことは言えません。

ましてや「病気が治る」や「身体の中から変化させる」なんて内容はNGです。
提供者は良かれと思って提供していても、それが結果的に病院等の受診を遅らせて相手の健康を害することだってあり得ます。
だからこそ非常に厳しく規制されています。

実際に怪しげな発信をしている人は後を絶ちません。「その人たちと私は違う!!」と思っても消費者からは区別はつかないのです。
だからこそこの分野は「慎重」にならざるえません。

 

注意するべき発信内容

とはいえ、お客様からの信頼を得るためにも、安心して商品やサービスを購入してもらうためにも発信は続けていく必要があります。

発信する際に、まずは気を付けてほしいポイントがあります

 

① 体験談は統計的に処理できなければいけない

 

お客様の感想、お客様の声などの体験談であれば、記載してもいいのではないか?と思う人もいると思いますが、「体験談」は統計的に処理していなければ根拠として扱うことはかなり厳しいと思っておいた方がいいでしょう。

体験談を統計的に処理するためには、無作為で相当数のサンプルの数が必要になります。
10件や20件のデータでは意味がありません。

それらのデータを年齢・性別などの属性にわけたうえで(場合によってはもっと細かな分類が必要になることも)、効果が出た人の割合、出なかった人の割合にわけていく必要があります。

これを個人でするにはかなりの年数を要しますし、まず最初にしっかりと計画書を立てておかないと統計処理をすることは難しいでしょう。

そもそも体験談は、このお客様はかなり効果が出たから体験談に載せよう、このお客様はあまり効果が見られなかったから体験談から外そうなどの、掲載の有無を提供者側で決めてしまうことが出来るため注意が必要です。

また、「〇〇の食事法で体調がよくなった、妊娠しやすくなった」などの体験談も見かけます。これらに関してはどの血液検査の項目で検証したのか?体調がよくなるとはどういう数値の変化が見られたらそうなるのか?などの提示が求められることになります。

「お客様の実例、お客様の声から成り立っている体験談から大丈夫!!」とは安易に考えないほうがいいでしょう。

 

② 検証方法と実際の使用条件が一致していないとNG

 

これは施術関連ではなく、どちらかというとサプリメントや化粧品などに言える話ですが、メーカーが出してきた検証内容を鵜呑みにするのはちょっと待ってください。

その検証方法は
・学術界や産業界で認められた方法である
・独自の検証方法ではない
・本来体内で起こる内容を試験管などで検証していないか?
・実際の利用方法に応じた内容で検証しているか?
・動物での検証で終わっていないか?
をまずは確認する必要があります。

また、試験管でしか行っていない検証を体内で行ったように広告するのは不当表示にあたります。メーカーから商品を購入して販売する際には、これらの点に十分に注意する必要があります。

 

③ イメージさせるよう表現方法もNG

 

最近多いのは「多くの医師が推奨している」「〇〇学会も認めている」などの表現ですが、これらの表現方法もNGです。

効果効能を謳えない今、苦渋の策なのか?このように効果を暗示するような表現を使用する広告を見かけることが増えました。

例えば妊娠中に摂取したい葉酸サプリ。
こちらは妊娠初期の胎児発育に必要な栄養素であり、二分脊椎症という疾患を予防するために厚生労働省からも積極的な摂取が推奨されています。
あくまでも目的は、「二分脊椎症の予防」です。ただ葉酸は妊娠超初期に必要な成分のため、最近は妊活中から摂取することが勧められています。
これを利用して「多くの産婦人科医が妊活中に摂取を勧める〇〇サプリメント」というような謳い文句を見かけることがあります。

こうして「サプリ=妊娠しやすくなる」というイメージを暗に消費者に植え付けています。

効果をイメージさせるような広告は取り締まりも追いついてないのか、あちこちで見かけますが本来はNGであることを知っておいてください

 

表現方法の抜け道を探さない

年々規制が厳しくなっていく美容・ヘルスケア領域。それゆえに、どうしても表現方法の抜け道を探そうとしてしまいます。
ただ、それって結局のところいたちごっこであり、自分達で自分達の首を絞める結果になってしまっているのです。

あの手、この手と抜け道をさがしたところで、それが誤解を生む表現であり、消費者の健康を害するものであれば、いずれ規制対象になっていくでしょう。

・研究報告ページからの通販サイトへのリンク
・商品購入者に別便で送られてくる効果効能を謳う冊子

どこの企業も本当に様々な手法を使って、消費者に効果効能を届けようとします。
「効果効能を謳ってはいけない」という前提をなかったことにすることに必死なのです。

でもこれっておかしなことだと思いませんか?
どうしても「効果効能」を謳いたいのであれば、法律を変えるしかないのです。

機能性表示食品や特定保健用食品、この表示制度そのものには色んな意見はありますが、それでも業界が法に規制されることなく堂々と販売できるように作った制度だと私は思っています。

小手先の表現変更で抜け道を探すのではなく、本当に必要であれば法を改正してもらうぐらいの動きは必要なのではないかと思います。
それが出来ないのであれば、法の中でビジネスをしていくしかありません。

PR付きの体験談だって、アフリエイト広告だって、過剰なことをするから結局取り締まり対象になってしまったのです。

 

お客様に誠実であり、謙虚であり続けること

結局のところ、最後はこの一言に尽きるのではないかと思うのです。

「お客様に誠実であり、謙虚であり続けること」

特にヘルスケア領域でビジネスを続けていく以上、自分の商品やサービスを過信することはNGです。
過信が時にして、大きな取り返しのつかない事態を招いてしまう事があるらかです。

自分達が出来る範囲を知り、謙虚な気持ちでサービスを提供していれば過剰な効果効能を謳ってしまうこともないはずなのではと思うのです。
そこに驕りがあるから、過剰な効果効能を謳ってしまうのかもしれません。

抜け道を探して効果効能を謳うのではなく、お客様がその先に求めてくださっているものは何なのか?
効果効能謳う以外に提供できるものはないのか?

なんとかして効果効能を謳おうとするのではなく、違うアプローチ方法を探してみることがこれから益々必要になってくるのではないかと思います。

 

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