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コラム ソーシャルビジネス

ソーシャルビジネス(社会課題解決)をビジネスとして成り立たせるために必要な事

2022年8月24日

ここ数年、社会課題解決をビジネス(ソーシャルビジネス)として取り組むベンチャー企業やスタートアップ企業が増えてきています。個人事業主の方でもお話を伺っていると、それはソーシャルビジネス(社会課題解決事業)ですねという人も結構います。

しかし今の日本ではソーシャルビジネスの必要性は認められつつあるものの、ではそれが本当にビジネスとして持続可能かと聞かれると、残念ながら持続可能なビジネスになるにはまだまだほど遠いというのが現実ではないでしょうか?

なぜソーシャルビジネスがビジネスとして難しいのか、ソーシャルビジネスを持続可能なものにしていくために必要なことは何かについて考えていきたいと思います。

 

ソーシャルビジネス(社会課題解決)がビジネスとして難しい理由

なぜ社会課題解決がビジネスとして運用するのが難しいのでしょうか?様々な理由が考えられますが、ここでは5つの視点から見ていきたいと思います。

1.課題が社会の課題として認知されていない

これらの良い例が女性のヘルスケア分野だと思います。数年前までは、生理や更年期の問題は個人の問題とされ、個人で解決するべきものとされてきました。確かに最終的にどうするのかは個々が決めることですが、そこまでの過程には長年放置され続けてきた問題が山積しています。

例えば、生理を含めた性教育の問題、女性が抱える様々な不調と働き方の問題、生理の貧困と呼ばれる問題など、本来であれば社会で解決していかなければならない問題が今まで放置されてきました。

もちろん見て見ぬふりをしてきた面もあるでしょうが、多くの場合は個人で解決するべき問題であり、社会課題と認識されてこなかったものがほとんどです。

ソーシャルビジネスの難しさは「社会の課題として認知されていない」点が一番大きいのではないかと思っています。

 

2.社会課題解決はボランティアとして見られやすい

なぜか日本の場合は、社会課題解決はビジネスとならずにボランティアで賄おうとされがちです。それらの理由のひとつには「共助」という考え方があるのかもしれません。

確かにお互いに支え合うことも必要です。ただ無償のボランティアというのはあくまでも個々の善意で成り立つものです。相手に強制することは出来ません。経済的にも時間的にも余力のある人がたくさんいた時には成り立ちますが、これから先、社会課題解決をボランティアだけに頼っていくのは難しくなっていくのではないかと思っています。

だからこそ、社会課題解決をソーシャルビジネスとして持続可能な形に持っていく事が必要になっていきます。

 

3.当事者からの費用負担が難しい

長年、社会課題解決分野はボランティアで運営されてきました。そのため、ソーシャルビジネスを立ち上げても当事者からの費用負担が難しいという面があります。

社会課題解決の分野によっては未成年や経済的弱者も多く、費用負担が求めにくいという点も挙げられます。当事者自身が費用をかけてまで解決しなければならない問題と気が付いていない場合や、費用をかけずになんとかしようと無料情報や無料相談内で彷徨っていることもあります。

 

4.売り上げに繋がらないことに企業はお金や時間をかけたがらない

内容によっては企業内に、コンサルタントや専門家などが入ることで問題点を改善していくことが出来る分野もあります。しかしこれらの多くは従業員の福利厚生分野であり、企業にとっては直接売り上げにつながる分野ではありません。

ここ2年ほど、フェムテック分野がビジネス的にも盛り上がりをみせていますが、多くの企業はフェムテック分野を利用して福利厚生を充実させようと考えるのではなく、どのようにフェムテック分野に参入しようかと考えている企業の方が多いのではないかと感じています。

SDGsなども盛り上がりをみせてはいますが、残念ながら「やっています感」をアピールするだけに利用している企業も少なくありません。

ソーシャルビジネスとして企業にサービスを提供するのもまだまだハードルが高いのが現状です。

 

5.行政を動かすのには時間がかかる

行政にアプローチをし、行政と共にソーシャルビジネスに取り組む。もしかしたらこの方法が一番正攻法なのかもしれません。しかし、残念ながら行政を動かすには非常に時間がかかります。

またある程度実績のある法人企業であればまだしも、実績も名も知られていない企業や個人事業主が行政とともにソーシャルビジネスに取り組むのはかなり至難の業になります。

もちろんアプローチしていくのはありですが、結果が出るには数年要することも覚悟しておかなければなりませんし、それだけ時間を費やしても結果が出ないことの方がほとんどだと思います。

 

ソーシャルビジネスは信念がないとやっていけない

私自身ももう一つの事業ではソーシャルビジネスと言われる分野で活動しています。この事業をはじめて今年で8年目(2022年時点)になりますが、事業を始めた頃は正直、話を聞いてもらうのも一苦労でした。

「それをやって企業の売り上げは上がるの?」とはっきりと言われた時もありました。中には「女性が妊娠することに弊社のメリットはない」とまで言ってくる人もいたぐらいです。

今でこそ、女性のヘルスケア支援に関しても少しずつですが企業の理解も進んできましたが、数年前までは話を聞いてもらえたら良い方で、多くの場合は適当にあしらわれて終わりでした。

このような状況ですから、中には「いつまでも売れないものに拘わるのはやめて売れるものを売りなさい」と言ってきた人は、一人や二人ではありませんでした。それでもここまで続けてこられたのは、私の中に「女性が働きやすい社会環境を作りたい」という信念があったからです。

 

最初からサービスを購入してくれる人はなかなかいない

社会課題解決としてある程度認知の高まった分野(フェムテック分野など)に参入するのであれば別ですが、そうでなければまずは「社会課題解決」として取り組まないといけないという点から認知を広げていく必要があります。

そのために必要なのがまずは「伝える」という事です。

SNS、HP、ブログ、YouTubeなど様々な媒体を通じて、まずはあなたがソーシャルビジネスとして取り組みたい分野を「社会課題」として認識してもらう必要があります。少しでも多くの人に「社会で解決していかないといけない」と思ってもらわないといけません。

そしてソーシャルビジネスのためとして認知を広げようとすれば、数年単位でかかることも覚悟しておかなければなりません。全く無反応な状態が何年も続く場合もあります。

それでもコツコツと発信し、必要とあれば対面で直接伝えていく、そんな地道な活動がその先に繋がっていく事になります。

 

認知を広げる発信内容にも工夫が必要

まずは発信から、それらの課題解決に興味がある人に届ける必要があります。ただしやみくもに発信を続けていても必要な人にはなかなか届きません。ソーシャルビジネスを発信する場合はちょっとした工夫が必要です。

 

1.検索されるまでに時間がかかる(最初から検索は狙えない)

ソーシャルビジネスで発信する場合、最初から検索を狙うことは難しいことはあらかじめ知っておく必要があります。もちろん狙ったワードによっては検索上位にあがることは可能です。

しかしこちらが伝えたい内容で検索をしてくれていたかはまた別ものです。特に認知や必要性が低い場合は、ピンポイントで検索してくれる人はほとんどいないと思っておいた方がいいでしょう。

とはいえ、ある程度認知が広まり、検索され始めた時に上位表示されるように、コツコツと検索を意識して記事を書いていくことは必要です。特にその分野で発信している人が少ない時は、サイト内で記事をきちんと書いておいた人が有利になります。

 

2.記事にはメッセージ性が必要

ソーシャルビジネスは最初のうちは書いても、書いても、発信しても、発信しても見向きもされないことも少なくありません。検索されない、SNSに投稿してもなかなか読んでもらえない。心が折れそうになることもあります。

そんな時に必要なのは読み手の心を動かすようなメッセージ性のある文章です。なぜ自分が取り組もうとしている社会課題をビジネスとする必要があるのか?この点をきちんと自分の言葉で語ることが出来なければ、人は振り向いてくれません。

 

3.社会を変えたいという本気度が試される

最近は社会課題を解決するソーシャルビジネスも増えてきました。そのため、この人達はビジネスチャンスと思って参入しているのか、それとも本気で社会をよくしたいと思って参入してきているのか、周りは自分達が思っている以上にシビアな目で見ています。

だからこそしっかりと社会課題を解決したいという思いを文章にして発信していく必要があります。様々なビジネスがごまんとあるこのご時世、社会を変えたいという自分の気持ちや考えは言葉にしないと誰にも伝わりません。

 

4.ぶれない発信を心がける

ソーシャルビジネスは正直マネタイズに苦労しやすい分野です。そのためどうしてもニーズのありそうなものへ商品やサービスを変更しがちです。ただこの時も根幹にある軸がぶれないように発信していく必要があります。

新しいサービスや商品が、自分達が最初に掲げた理念やmissionとどのように繋がっているのか、きちんと発信で届けていく必要があります。ここを怠ってしまうことで、周りからは軸がぶれてきたように捉えられてしまうこともあるので注意が必要です。

 

5.売り込み的な発信はNG

ソーシャルビジネスで発信する時は売り込みが前面に出すぎないように気を付ける必要があります。売り上げ先行に見えると、社会的弱者から搾取するように映ってしまうこともあります。

特に認知が広がり注目を浴びてくると今度は炎上リスクも上がってくるためより注意が必要です。ソーシャルビジネスは時にして、サービスを利用する人と、マネタイズ先が違う場合も出てきます。

ついついマネタイズ先を意識した発信になりがちですが、こういう時こそ、「なぜ自分はこの社会課題を解決したいと考えたのか」という原点にいったん立ち返ることが大切です。

 

 

ソーシャルビジネス(社会課題解決)はなかなか必要性を理解してもらうまでに時間のかかる分野です。特にまだその分野に認知が集まっていない時は、どれだけ発信してもなかなか反応がないということも。ただはじめから時間がかかるということを知っていれば気持ち的にも楽になります。認知を広げるための飛び道具的なものはありませんが、時間をかけてコツコツと発信を続けてみてください。

 

 

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